人に好かれるセリフ
「つまらないものですが」⇒「気持ちばかりですが」
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このページはVoicy「澤円の深夜の福音ラジオ」1490回を、文字起こし・編集したものです。
(前回・前々回はコラボ回です)
【資産になることと過去の栄光に縋るのは違う】
今日はですね、Voicyさんのハッシュタグ企画、#資産になるキャリアについて、お話をしたいと思います。
資産…日本語だと”財産”なんて言い方しても良いんですけれども。
これは、英語だと”asset”って言うんですね。
この、”asset”って言うキーワードは、外資系にいると、しょっちゅう出てくるキーワードでですね。
会社が持っている、例えば、商品とか、サービスとか。
そういったものも全部、”asset”っていう風に呼んで、「ウチの会社は、”asset”が豊富にある」とかですね、「ウチの会社は、限定された”asset”を徹底的に売る」とかなんか。
そんな感じで、使ったりするんですよね。
ということで、”asset”というのは、単純に貯金とか、そういったものを指すわけじゃなくって、総称なんですね。
いろんなものを含めて、総称ということになってくるわけですね。
そして今回は、それをキャリアというものとつなげて、お話をするわけなんですけれども。
さて、タイトルにあるようにですね、「過去の話、持ち出し始めたらやべぇぞ」っていう、そういうお話をちょっと織り交ぜながら、進めていくわけなんですけれども。
これ何かと言うと、日本企業っていうのは、長~く勤める人が多いので。
そうするとですね、過去の成功体験にずーっとしがみ付くタイプの人っていうのが、一定数生まれやすいんですね。
これは、外国の場合だと、その時点その時点で評価をされて。
”過去にすごく良いことをやったとしても、ずっと生き残れるのか?”って言うと、必ずしもそうでもないということなんですね。
たしかに、昔は、すごーく頑張ってくれていたけれども。
結局、それから全然アップデートがされていなくって、「最近、調子悪いよね」っていう風になってくると…
残念ながらこれは、「あなたは、もっと違うキャリアを積んだ方が良いですよ」っていうことで追い出されるっていうのが、割とナチュラルな展開なんですよね。
”全部”とは言わないですし、そうやって生き残り続ける人も、少数ですけれども、いなくはないですけれども。
ただ、やっぱそこら辺はですね、「追い出す為の仕組みというのが発達しているのが、日本以外の会社なのかな~」なんて思います。
これまあ、法律的なところもあるとは思うんですけどね。
ということで、過去の資産というものにしがみ付いて、それを切り崩すだけで生きていくっていうのは、外国の会社の場合にはできなくって。
その分ですね、自分の持っている資産っていうのを、いかに増やしていくのか?
もしくは、自分の持っている資産が生かせる場所は、どこなのか?
この二つでですね、仕事というのを探すというのが、割と自然とできているんじゃないかな~と思います。
まあ、そうしないと生き残れないですからね。
日本の場合には、過去にたくさんの資産を貯めておくと、それをうまーく使ってですね、ずーっと生き残ることができたりするわけです。
これが、ものすごく汎用的なスキルだったり、知識だったり、経験だったりすると、別に特に問題はないんですよね。
それの代表格だったのが、所謂”バックオフィス業務”なんて言われますけれども、間接業務ですね。
人事とか、経理とか、総務とか。
あるいは、法務なんかもそうですね。
そういったものっていうのは、割と過去に何らか経験をガッツリ積んだりとか、資格を取っておいたりとかすると、ずーっと使えるという風に思われてたんですけど。
これすらも最近、変わってきてますよね。
法律は変わってないにしても、経済状況とかですね、世の中のビジネスの環境っていうのは大きく変わってきていて。
バックオフィス業務というものも、どんどん複雑になってきたりするわけですね。
例えば、経費精算一つとってもですね。
昔だったら、交通費というのは、領収書さえあれば良い。
あるいは、使える手段というのは、現金か、まあせいぜいクレジットカードっていう風に限定されていたのが…
今、支払い方法もメチャクチャ多様化していますし。
タクシーに関しても、乗り方がすごく変わってきていたりとか。
まあほんとにですね、様々な交通機関っていうのが、いろんなサービスを提供してきているので。
「それを、考慮する」ってなってくると、経費精算一つとっても複雑さというのは、どんどんUPしてきているわけですよね。
そして、法律に関しても、今ある法律というのが、ビジネス環境に全然合致していなかったりして。
「これ、どうやって解釈すれば良いんだろうか?」っていう風に、一々、頭を悩ませなきゃいけない。
そういう場面っていうのが、あるわけですね。
そうすると、昔取った杵柄だけだと、ちょっと厳しいということになるので。
全ての職種・全ての業務において、アップデートというのが、とにかく大事になってくるわけですね。
ということで、”過去の資産を切り崩すだけで、ずーっとキャリアが作れる時代は、疾うの昔に終わっていますよ”ということを、言うまでもなくなんですけれども、認識しなきゃいけないということになるわけですね。
じゃあ、”資産になるキャリアって、何なんだ?”と言うとですね…
”これ”って言うのが、ぶっちゃけ僕は、存在していないと思ってるんですね。
今言ったように、”本来だったら資格を取ったり、何らかその業務を何年かやったりとかすると一生安泰っていうのが、もはや存在していない”とも言えるので。
そうなると、「この資産持ってたら、安心ですよ」「こういう資産っていうのは、もう一生のキャリアにプラスになりますよ」っていうのは、もはや具体的なものとしては存在しないというのが、僕の見立てなんですね。
但し、抽象化されたものに関して言うと、これは全然変わってくるわけですね。
抽象化していくってどういうことかって言うと…
例えば、デザイン力。
これって、具体的なようでいて、非常に抽象的なものなんですよね。
スキルとしては、非常に抽象的です。
デザイン力っていうのは、「え?それって、別にwebの画面デザインするとか、プロダクトのデザインのことなんじゃないの?」って、お思いになるかもしれないんですけど。
デザイン力っていうのは、それだけじゃないんですよね。
「ビジネスモデル全体を、デザインする」というのもそうだし。
人事制度というのも、これはデザイン力っていうのが問われるし。
このデザイン力というものを、かなり抽象度高く、自分の身に付けておくと、いろ~んな場面で転用可能なんですよね。
このデザインっていうもの最近、僕、結構勉強しているし。
デザインをやっている人から、いろんなこと聞いたりとかしてるんですけれども。
デザインっていうのは…
例えば、人の行動っていうのを引き出したりとか。
あるいは、人が気付きやすくなったりとか。
そういった効果があるわけなんですけれども、そういうものが応用できる場面っていうのは、メチャクチャ多いわけですね。
ですので、そういう抽象化されたスキルを身に付けること。
もっと言うとですね、自分の持っているスキルを抽象化すること。
これが、すっごく大事なんですね。
具体を持っている。
もちろん、それはそれで強みなんですけれども。
「具体を具体のままで、ずーっと使い続けられるか?」っていうと、そうでもないですよってことなんですよね。
例えば、経理の仕事、さっきお話をしましたけれども。
具体っていう意味で言うと、「電卓が、早く打てる」というのは、昔はかなり重要な具体のスキルだったんじゃないかな~と思うんですね。
もっと昔であれば、「そろばんで、計算ができる」っていうのが、具体としては非常に重要なスキルだったんじゃないかと思うんですけれども。
今、そういったものっていうのは、Excelさんに任せとけば良いわけですよね。
もっと言うと、自動化できる状態になっているので。
誰かがどっかで数字を入れると、勝手に計算がされるということになってくるわけですね。
ですので、そういった具体のスキルというのは、陳腐化をしていきますので。
経理の仕事というのを抽象化して、考えていかなきゃいけないと。
そうすると、「お金の流れによって、ビジネス全体を占うことができますよ」な~んて話になってくるとこれ、活躍の場っていうのがメチャクチャ広がってくるわけですよね。
ということで、自分の持っているスキルとか。
あるいは、経験とかっていうのを抽象化して。
そして、他のところに転用していく。
「これが、ずーっとできる」というのが、うまく資産運用しながらキャリアを積んでいる状態という風に言えるんじゃないかな~と思います。
なので、「この資産を手に入れれば、私は一生安泰だ」というのは、繰り返しになりますけれども、”ない”ということをまず前提にして。
今、自分がもっているスキルとか、経験とかっていうのを抽象化する能力。
あるいは、抽象化しようとするマインドセット。
こういったものが、不可欠であり。
そうすると、資産というのが、どんどんデカくなってくるんじゃないかと思います。
ちなみに、「アップデートしよう」っていう気持ちを阻む、一番厄介なものがこれ、過去の成功体験なんですね。
それを、資産と強く捉えすぎてしまって。
且つ、その昔の成功体験の具体の部分に固執してしまうと、自分自身をアップデートするっていうことが、できなくなりかねませんので。
例えば、僕もたくさんの成功体験を、お陰様でさせてもらいましたけれども。
その一個一個の具体っていうのは、今となっては陳腐化して使えないんですね。
特に、僕はテクノロジー業界にずっといたので、五年前の資料なんていうのは、ぶっちゃけそのまま使ったら笑われかねないんですよね。
ただ、その時に考えたプロセスだったり、なんなりっていうのを抽象化して転用するというのは、ずーっとできますので。
そういう形でですね、過去の資産・過去の成功体験っていうのをそのまま使い続けようとか、それを武器にしてひたすらキャリアを積もうとか思うんじゃなくって。
その成功体験は、転用可能な資産という風に置き換えていく。
そして、その資産を、ある意味投資するような感覚で抽象化をしていって、転用していって、資産を増やす。
そういう考え方が大事かな~と思います。
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