人に好かれるセリフ
「感心しました」⇒「感銘を受けました」
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このページはVoicy「澤円の深夜の福音ラジオ」1491回を、文字起こし・編集したものです。
【職人さんの説明で気になったこと】
今日はですね、リスクに関する説明の仕方というのをちょっとテーマにして、お話をしようかな~と思うんですけれども。
今日ですね、僕の家に職人さんが来て。
これ、いつもの千葉の方で仲良くしている職人さんではなくって、東京の自宅の方に。
僕は初めましてで、カミさんは2回目の職人さんが来てくれてですね。
ちょっと、プチリフォームみたいなものをお願いして、そちらの下見みたいなことを、やってくれたんですね。
その時に、ちょっと気になったことがあったんですけど。
これ何かと言うと、工事をする上でのリスクに関する説明だったんですね。
”こうこう、こういう風になると、ここがこうなる可能性があります。ここが例えば削れるとかですね、ここにぶつかるとかですね、ここでコストがかかるとか…”っていうことを丁寧に説明してくれるんですけれども。
問題はですね、できるかできないかが、わからないんですね。
リスクがあるというのはわかるんですけれども、そのリスクを回避する策があるのかとか。
あるいは、「そのリスクテイクをしても、こういう形でできますよ」なのかが全然わからなくって、リスクの部分だけを説明するんですね。
例えばなんですけど、壁紙をちょっと変えてもらおうと思って。
その壁紙を変えるという話になった時に、その壁紙の近いところにある扉がですね、もしかしたら干渉するかもしれないという話をしてくれたんですね。
そして、”ここがこうこう、こうなって、ここの部分が干渉するんです。ちなみに、この壁紙っていうのは、一回剥がしてもう一回別のやつを貼ると厚みがちょっと出て、更にここが狭くなってですね…”って、ずーっと言ってるんですけど。
僕が知りたいのは、「壁紙をもう一回貼ったら、厚くなるかどうか」ではなくって、「その状態を回避する策があるのかどうか、そして、それを回避する策があるんだとしたら、どうやるのか」の方が、よっぽど興味はあるわけですよね。
たしかにですね、壁紙に関する豆知識みたいやつは、持ってて損はないんですけれども。
ただ、こっちはお仕事をお願いしているので、その仕事ができるのかできないのかを知りたいんですけど。
どうしてもですね、「そのリスクに関する正確な情報っていうのを、僕に伝えなければ」というのが、前に出過ぎてしまって。
結局、説明がすっごく冗長になって。
”あの~、できない理由を一生懸命説明するんじゃなくって、どうやったらできるかを説明してくれますか?”っていう風に、お願いをしたんですね。
そしたら、いろんな回避策があるんですね。
あるいは、「こういう妥協をすれば、こうやって良くなりますよ」っていうのが、出てくるんですけど、こちらがお願いをしないと、その情報を出してくれないんですね。
それが、ちょっと残念だな~っていう感じだったんですけど。
もちろんですね、リスクを完無視してですね、”できますできます”って言って、最終的にハチャメチャな状態になったら、もっと困るので。
そういった意味で言うと、”非常に信頼ができる職人さん”とも言えるんですけれども。
限られた時間で、最終的な工事のイメージというものを掴みたいという風に考えた場合には、「細かいことは良いから、とにかく結論が欲しい」って、こっちは思うわけですよね。
ですけどこれ、どうもですね、その職人さんはトラウマがあるみたいで。
いろいろ聞いていたら、ちょっと気の毒になったんですけど。
タイルを施工した時に、そのタイルが真っ直ぐになっているかどうかというのを、定規まで出して細かくチェックをされたっていう経験があるらしくってですね。
それ以来、”これは、こういう風にズレる可能性がありますよ”とか、そういったことを言う癖がついちゃってるっぽいんですね。
つまり、過去にそういう恐怖体験をするとですね、どうしても説明が冗長になりがちっていうのは、別にこの職人さんに限った話じゃなくって、いろんなビジネスの現場で起き得るんじゃないかな~と思います。
これはですね、日本のビジネスシーンで非常によく聞くフレーズっていうのは、「怒る・怒られる」ってやつなんですね。
これだけ聞くと、非常に子供っぽい感じがするんですけど。
実際のところ、「怒る・怒られる」という表現って、ほんと仕事中に何回も聞きませんかね?
僕は、よく聞いてたんですけれども。
それを聞く度にですね、そういう感情の一つである「怒る」とか、「怒られる」とかっていうのに対して対応する為に、どれだけ無駄な時間っていうのが使われているんだろうかっていうのは、ちょっと心配になるんですよね。
それよりも、どんなことが達成されれば、ビジネス・お仕事の上では成功なのかという、そっちのイメージを固める方が、よっぽど大事だと思うんですけれども。
何か権限を持っていたりとか、決裁権を持っていたりとかする人達っていうのが「怒る」ということが、トッププライオリティになってしまって。
結局、「その人が怒らないようにする為には、どうすれば良いか?」という風にして、やたらめったら準備をしてですね。
最終的には、その人はたしかに怒らなかったかもしれないけれども。
結局、ビジネスがうまくいかなくってですね。
別の形で怒られることになりかねないというのも、あるあるじゃないかな~と思うんですよね。
ですので、この「怒る」ということによって、人をコントロールするような人っていうのが世の中にいるというのが、そもそも問題なんですけれども。
ただ、そういう人が権限を握ってしまっていると、おいそれとですね、”あんた、あっち行きなさい”って言うわけにはいかないので、「コイツをうまく使うには、どうすれば良いか?」って考えざるを得ないということになるんですよね。
その為には、まずは判断材料になるものを、なるべく早く提供してですね。
そして、「できる・できない」。
そして、その時のリスクっていうのと、プラスになる部分ですね。
これ、Pros/Consなんて、よく英語で言いますけれども。
それを明確に説明できるかどうかっていうのが、大事になってくるかな~と思います。
ということで、リスクを説明するっていうのは、すごく大事なんですけれども。
まずは、できるかできないかの大まかな結論というものを最初に提示して。
そこから、リスクをいうものを説明し、「そのリスクをうまく取れば、こういう大きなプラスがありますよ」というですね。
まずは、結論あり。
その後で、「×だけど、〇だから△」みたいなロジックというのが説明できると、非常にわかりやすいかな~と思うんですね。
一番最初に、”まあ、できますできます!これ、余裕っす!ヒャッハー!”って言った後で。
だけど、”これとこれとこれがリスクになるんで、これだとできません!”って言うと、「ちょっと…いや、最初”できる”って、あなた言い切ったじゃん!」っていうことになるわけですよね。
ですので、一番最初の段階で、”これは、ある条件をクリアすればできます”とかですね。
”これは、できると断言はできないけれども、方法はあります”とかですね。
今度は逆に、”これは、なんとなくできそうには見えるんですけれども、避けた方が良いと思います”とかですね。
あるいは、”これは、残念ながらできるとは言い切れない、幾つかの理由があります”とかですね。
こんな感じで、そもそもポジティブ側なのか、ネガティブ側なのか。
アクションを取ってうまくいかせようとするのか、それとも止める方向に舵を切らなきゃいけないのかっていう思考の取っ掛かりのようなものを最初に持っていくと、その後の議論っていうのがすごくしやすくなってくるかな~と思います。
これ、なんとなく誤魔化している言い方に聞こえるかもしれないんですけど。
世の中っていうのは、白黒でハッキリと分けられるようなものばっかりじゃないっていうのはこれ、誰しも知っている話であって。
そう考えると、目の前にある事象というものが、黒寄りのグレーなのか、白寄りのグレーなのかぐらいの思考の取っ掛かりっていうのを提供するっていうのが、その後の話を通じやすくする為の一つの言い方になってくるのかなと思うわけですよね。
この辺を最初に提示した上で、その後に明確なアクションというのが言えるのであれば、それを言うと。
例えば、”条件付きで、できますよ”と言うのであれば、「あなたがやらなきゃいけないことは、これですよ」というアクションというのを明確にしなきゃいけないと。
これはですね、「こうこう、こうすればできますよ」っていう時に、聞いてる側が何をすれば良いのかがわからないと、やっぱり最後イライラされるわけですよね。
それこそ、怒られるわけですよね。
”じゃ、どうすれば良いの?”っていう風に、最後に質問させるというのが、これが一番説明としてはダメなパターンかなと、僕は思ってるんですね。
つまり、「あなたは、まずはこれについて判断してもらいますよ」という風に、その判断をするというところを明確にしておいて、「今から判断して頂くのは、これとこれです」みたいな感じで提供するわけですね、情報を。
例えば、”これについては、条件付きでできます。その為には、幾つか購入してもらわなければなりません”とかですね。
”これについては、残念ながら諦めざるを得ません。理由は、この後お話をしますけれども、まずは、これを諦めるということを周囲の人に説明をして頂く必要があります”とかですね。
こんな感じで、アクションというのを明確にしてあげて、それを話し終わった後に行動に移せるようにするのが、デキる人の話し方なのかな~と思います。
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