安物買いの銭失いにならないための処方箋。

人に好かれるセリフ
「資料の作成は上手だね」⇒「資料の作成も上手だね」

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このページはVoicy「澤円の深夜の福音ラジオ」1506回を、文字起こし・編集したものです。

【1506回】安物買いの銭失いにならないための処方箋。 | 澤円「澤円の茶話会ラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「澤円」の「【1506回】安物買いの銭失いにならないための処方箋。(2022年5月4日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

ネット通販が作った闇

今日はですね、安物買いの銭失いの話をしようかな~と思うんですけど。

これ、僕、何回かVoicyでも取り上げたトピックなんですけどね。

なんで今日、これを取り上げようと思ったかっていうと、ちょっとした記事が目に入ったんで、そこからなんとなく思考を巡らせてですね。

この話をするわけなんですけれども、時事ドットコムというところで扱われていた、取材班がですね。

実際に体験をしたっていう、お話なんですけど。

「飲み物を注ぐと、富士山が綺麗に浮き上がりますよ」という、そういうグラスがあってですね。

大元は「田島硝子」という、東京都の江戸川区にある伝統工芸を作っているっていう会社さんが、オリジナル商品を持っているわけですね。

そして、そこが売って作っているわけなんですけれども、なんか問い合わせが結構入るようになったと。

これ、何かと言うと…

”Twitterなどで宣伝をすごくされていて、そこに載っている写真っていうのは、まさに田島硝子さんが作って売っている物と同じなんだけれども、届く物は粗悪品だ”と。

”これ、偽物じゃないですか?”という問い合わせが、入るようになったらしいんですね。

そして、実際にですね。

時事ドットコムの人が、自分で体験してみたと。

つまり、直接田島硝子さんから買うんじゃなくって、SNSに出ている宣伝から辿っていって、怪しげな通販サイトから買ってみましたって話なんですね。

そしたら、案の定ですね。

ものすごーく、ヒドいやつが届いたと。

オリジナルは、ちゃんと木の箱に入って、綺麗な形で届くわけなんですけれども。

よくわかんない通販サイトから買ったらですね、段ボールに入って、プチプチに包まれて、ものすごーく安っぽいガラスの器が届きましたと。

おまけに、欠けてたりするという話だったんですね。

「届くのは粗悪品」謎の通販サイト◆SNSで拡散、発送元を追跡取材【時事ドットコム取材班】 :時事ドットコム
 通販サイトがツイッターで宣伝していた商品を購入したら、粗悪品や偽物が届いたー。インターネット交流サイト(SNS)でこんな投稿が相次いでいる。商品は洋服や雑貨、電化製品などさまざまで、注文先のサイトも別々。ところが、これらのサイトには奇妙な類似点があることが取材で判明した。いったい何が起きているのか。実際に商品を購入し...

これは、その時事ドットコムの人がいろいろと取材を続けていくと、幾つかのコールセンターが絡んでいたりとか、香港の怪しげな貿易会社が絡んでたりとかっていうことで、大元に辿り着けないような、そういう構造になっていたらしいんですよね。

実際に、こういう物って、すっごく今、世の中にたくさん出回っていて。

残念ながら、超メジャーな通販サイトでも、そういう連中ってウヨウヨいるんですよね。

要するに、インターネットが浸透してきたことによる、極めて有り難くない副作用の一つと言えるんじゃないかな~と思うんですね。

つまり、現物を見ずに、物が買えると。

逆に言うと、物が届くまで、その現物がどういう物なのかがわからないという、そういう商品のやりとりっていうのが、どんどん一般化してきたってことなんですよね。

こうなってくると、物を買うっていうのが、一つのギャンブルになってくるとも言えますよね。

僕もですね、物は試しで、そういうのを買ってみたことはあるんですけれども。

思ったよりも良いっていうのは、ほとんどないですね。

ギリ思った通りか、思ったよりもずっと悪い。

まあ、ずっと悪いということを想像して買っている部分もあるので、ある意味思った通りではあるんですけれども。

少なくとも、「商品のサイトで見た印象とは、随分違うぞ」っていうことが、圧倒的に多いような印象がありますね。

”それは、そうだ”とも言えるんですけど、商品サイトっていうのは、商品を殊更にですね。

魅力的に見せるように作られていて、実際の商品とはギャップがあるっていうのは、昔からそういう部分もあったと思うんですけど。

それが、ネットの普及によって、加速したとも言えるわけですね。

そして、”なんで、そういうことに人は騙されるのか?”って言うと、これは非常にわかりやすいところで、値段なんですよね。

やっぱり、値段というのは、非常に物を魅力的に見せる部分があってですね。

「このクオリティーの物が、この値段で」ってなると、ついその値段の安さというところを「魅力」という風に受け取っちゃうと。

ほんとはですね、「値段が安いということは、誰かがどっかで無理をしている」ということにつながるので、リスクって見なきゃいけないんですよね。

僕はもう、これがかなり習慣化されていて、安い物を見ると、どうしても疑ってみるようになっちゃったんですね。

「わ~い」っていう風に思うことはなくって、「この値段で売られてしまう理由は、何なんだろうか?」というところに納得をしないと、お金を払わないという体質になっています。

これは、高いお金を払いたいとかではなくって、安い値段になっているプロセスっていうのが理解できないということは、どこかに欠落している部分があるんですよね。

例えば、フェアトレードなんていうキーワードがありますけれども。

「あれは、何が欠落しているか?」っていうと、「大元の生産者の人権というものが、ちゃんと倫理的に担保されていないというところが問題だ」ということで、フェアトレードという考え方が出てきているわけなんですけれども。

あれなんかは、元の生産者が、本来手にしなければいけない利益というものが、手にできていないっていうことによって生まれる、一つの悲劇なんですね。

末端の人達は、安く物が手に入るということで、利益を享受しちゃうんですけれども、本来作っている人達。

つまり、有り難くもですね。

我々に対して何かを提供しようということで、生産をしてくれている人達。

あるいは、採取をしてくれている人達のところに、ちゃんと利益が回っていないということになるわけですよね。

なので、フェアトレードっていう考え方は、非常にフェアな考え方だなと思うわけなんですけれども。

さて、他にもですね。

「こんな工業製品、こんな値段で買えるんだ!」みたいな物がありますけれども。

たいていの場合、それはクオリティとかですね。

最悪の場合は、安全性っていうところが、犠牲になっている可能性があるわけですよね。

例えば、電化製品なんていうのは、ただ単に求められている機能というのを満たすというだけではなくって。

そこに、「安全に使える」っていうのが、本当は乗っかってないといけないわけですよね。

例えば、僕、髪が長いですからね。

ドライヤーには、かなりお金をかけているわけなんですけれども。

このドライヤーっていうのも、「単に熱風が出まくって、髪が乾きゃ良いでしょ」ってもんじゃないわけですよね。

当然のことながら、その熱風っていうのが、髪の毛が燃え上がっちゃうような熱風じゃ困るわけですし。

あるいは、電源部分っていうのが、ちゃんと安全に作られていないと、挿しているだけで火事になっちゃうっていう可能性もあるわけですね。

ですけど、ここら辺っていうのは、パッと見わかんないわけですよね。

ですので、使ってみなきゃわかんないんですけれども。

ただ、使っているうちに、そういうヤバいことになっちゃったりとかすると…

これは、「安く買った」という魅力を全部消して。

更に、マイナスの方に、思いっ切り振り切っちゃうっていう可能性もあるわけですよね。

例えば、火傷をするとか。

もっと言うと、火事になるなんていうのは、もう最悪ですよね。

そういったものが起きないように、メーカーっていうのは、「安全基準というのを満たすように」という風にやるわけなんですけれども。

粗悪品というのは、そういったものを全部すり抜けてですね。

そして、ネットで直接、安物を売る。

それも、値段で釣って。

そして、いろんな検査とか何とかっていうコストのかかるものを全部すり抜けてですね。

そして、安い値段で提供して。

だけど、利益はちゃんと取るっていう、そういうことをするというわけですね。

これなんかは、非常にですね。

ハッキリ言ってしまうと、犯罪行為に近いわけですよね。

場合によっては、近いじゃなくて、”犯罪行為そのもの”と言っても良いかもしれないですね。

僕がよく言ってるのは、”全てのビジネスっていうのは、社会貢献というものが必要ですよ。もしくは、その上に成り立つんですよ”という風に言ってるわけなんですけれども。

「ビジネスから社会貢献っていうものを差っ引くと、何が起きるか?」っていうと、”結局、犯罪が残る”という風に、僕は言ってるんですよね。

例えば、ドライヤー一つ取れば、社会貢献っていうのは…

「髪の毛が、非常に快適に乾かせますよ」「そうすることによって、快適に日常生活が送れますよ」というのが、一つの社会貢献になるわけなんですけれども。

「そもそも、髪の毛も健やかには乾かないし、乾くっちゃ乾くけれども、残念ながら家が火事になっちゃったりすることもありますよ」ってなると、社会貢献という要素っていうのが、完全にかき消されてしまうわけで。

お金儲けだけが残る、ということになるわけですよね。

「社会貢献せずに、お金儲けをすることは犯罪」と見ますから。

残念ながら、こういう安全とかを犠牲にした上で物を売ってしまうっていうのは、犯罪行為ということになるわけですね。

ここまで、ほんとに当たり前の話をしてたんだけれども。

仕組みとしては、とにかく値段というところに目が行ってしまって、「どのような仕組みで、それが成り立っているのか」ということが、自分には説明ができない状態だと、場合によってはですね。

直接、犯罪者の懐を潤してしまうだけの、お金の使い方になりかねないということなんですよね。

なので、「これ、安いな~」っていう風に思った時には…

まず、やってもらいたいな~と思うのは、頭を使うことなんですね。

「何で、こんな安い値段で手に入るようになっているのかな?」という時に、ちょっと引っかかるところがある場合にはですね。

これは、真面な物が手に届かない。

あるいは、何らかの曰く付きの物が届くっていうことになるっていう話ですよね。

ですので、「わぁ、安いな~」って思って。

且つ、説明ができない物には、手を出さないっていうのが、まず第一ですし。

そして、「安いな」と思った時に、頭を使うという癖、つけておくとですね。

結局、銭失いになる確率というのは下がるんじゃないかな~と思います。

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