「マイクロ法人を勘違いしている人」多すぎ問題

今日のリベラルアーツ大学
夫嫁ブロック突破「絶対にやってはいけないこと」「やるべきこと」を分かりやすく解説
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このページは、Voicy「大河内薫マネリテ戦略室ラジオ」2022/7/21分を、文字起こし・編集したものです。

「マイクロ法人を勘違いしている人」多すぎ問題 | 大河内 薫「大河内薫"お金の学び"ラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「大河内 薫」の「「マイクロ法人を勘違いしている人」多すぎ問題(2022年7月21日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

今日は「マイクロ法人を勘違いしている人、多すぎ問題」で行きましょう。
マイクロ法人という言葉、聞いたことがある人は結構増えてきたんじゃないかな~と思うんですね。
個人事業主で社会保険を安くしたい人が、マイクロ法人という手法・スキームを使う可能性がある。
おそらく橘玲さんが、著書でマイクロ法人という言葉を作って広まった話なんですよね。
たしか、彼が造語したんじゃなかったかな~?

そして最近では、ビジネス系・お金系YouTuberのような発信者が”マイクロ法人を作ると、社会保険が安くなるよ~”という話をしているんですね。
なので「私もマイクロ法人、作って良いですかね?」「作った方が良いですかね?」「どれぐらい得しますか?」といった質問を、僕は結構コメントで受けるようになったんですね。
言葉を選ばずに言うんであれば、非常に面倒臭いんですよ。
質問を受けることが面倒臭いわけではなくて、マイクロ法人を一から説明するのが本当に面倒臭いんです。

マイクロ法人は手段であり、スキームなんですよね。
わかりやすく例えると、僕達はスマートフォンを使っているじゃないですか?
そしてスマートフォンは、機種がありますよね?
iPhoneとかGalaxyとか、その他いろいろ機種があると思うんですよ。
これを会社に当てはめると、まずは法人格がありますよね。
先ほどの文脈で言うと、法人格=スマートフォンなんですよ。
そしてiPhoneやGalaxyといった機種は、株式会社や合同会社。
法律で決められた、法人格の種類なわけですよ。
今日の文脈で言うと、これが法人の全体像なんですね。
まずは法人格が存在していて、その中の種類(スマートフォンで言えば機種)が株式会社・合同会社・社団法人・財団法人・公益法人にあたる。
当然、その中にマイクロ法人はない。
だってマイクロ法人は法的用語でないし、一個人の造語だから。
スキームの名前なんですよ。
スマートフォンで言うんであれば、iPhoneを使って「これは仕事用にしましょう、Androidはプライベート用で使いましょう」といった時の「仕事用」「プライベート用」の部分ですね。
用途・手段が、今日の文脈で言う「法人格の中の株式会社を使って、マイクロ法人という手法を使う」にあたる。
これが、全くわかっていないんですよね。
「マイクロ法人という会社を立ち上げる」と思っている人が多いわけですね。
「この感覚を、まずは知ってください」「覚えてください」ということを、僕は伝えなければいけない。
なぜなら、この前提を端折ると伝わらないからなんですよね。
「マイクロ法人、作りたいんです」
「いや、マイクロ法人というのはね、社会保険の話だからね…」
「いやでも、ちょっと作ってみたいんです」
というように、話が噛み合わない。
「あ!そういうことなんですか!!」みたいな理解を促さなきゃいけないわけです。
だから、手段なんですね。
スマートフォンで言うところの機種ではないです。
「その機種を持って、何をするか」の部分がマイクロ法人。
”マイクロ法人”という名前が、もはやダメなのかもしれないですね。
「株式会社の社会保険を最適化するために使う」という意味がマイクロ法人ですね。
なので「マイクロ法人」という名詞ではなくて、「法人の社会保険最適化に使う」という動詞としての言葉を新たに作らなきゃいけないな~と思いますね。
じゃあそれはどういうことなのかと言うと、個人事業主は売上があって経費があり利益がある。
そこから配偶者控除や寄付金控除等を引いた課税所得に税率を掛けて、税金を計算していく。
その過程で控除を引く前に、国民健康保険の金額が決まるわけですね。
それをベースに、国民健康保険の金額が決まる。
そうすると上限はあるにしても、収入が増えれば増えるほど国民健康保険の金額は上がっていくわけですよね。
でも、これは当たり前じゃないですか。
だってサラリーマンでも、給料の高い人の方が厚生年金を多く払っていますよね?
それと一緒なんだけれども、副業には社会保険料がかからないわけですよね。
僕のVoicyを聴いている人・YouTubeを見てくれている方は知っている。
だから個人事業主はメインなんだけれども、仕組み上は副業的にしてしまおうというのがマイクロ法人のスタートなんです。
つまり結論のスキームはどういう風に組むのかと言うと、まず会社を作る。
これは株式会社でも合同会社でも良いんだけれど、その会社でちょっと売上を立てて、月5万円ぐらいの給料を自分に払うわけですね。
自分が作った会社ですから、自由にできるわけです。
役員報酬(給料)として払う。
そこに社会保険を掛けるんですよ。
会社で厚生年金に入るわけです。
そうすると個人事業主でどんなに売上を上げて所得が増えたとしても、それは仕組み上副業扱いになる。
だって、会社でもう社会保険に入っているわけだから。
だから個人事業主の方に、国民健康保険料が掛からなくなるわけですよね。
だから本来だったら個人事業主一本でやっていて、売上1000万円・所得500万円だったら、国民健康保険料が月5・6万円掛かるのが月1万円。
会社負担を含めて、月2万円ぐらいで済む。
「社会保険料を最適化できましたね」「安くできましたね」というのがマイクロ法人なんですよ。
つまり、このスキームをやるために何を知っていなきゃいけないかと言うと、「会社で社会保険に入っている人は、他でどんなに個人事業主として売上を上げたとしても、そこには社会保険料がかからない」という知識。
ちなみに、給料をいろんなところからもらった場合は全部に社会保険料が掛かるので、それは気をつけなきゃいけないですよ?
でも一ヶ所の給料に対して社会保険に入って終わりの場合は、個人事業主・副業としての売上には社会保険料が掛からない。
それを、自分の仕組みで作るということ。

僕が今まで話してきたのは、「そもそもサラリーマンが副業しても、それに社会保険料は掛かりませんよね」ということ。
当然、会社からもらっている給料は、既に社会保険料を払っている。
その前提で、話をしていたわけですね。
でも個人事業主の場合は、給料を払ってくれる人がいない。
だってどこの会社にも属していない、フリーランスだから。
「だったら、それを自分で作っちゃいましょうね」というスキームなんですね。
最適化するために法人格(株式会社・合同会社等)を用意して、そこに売上を少し立てて、そこから給料を払って社会保険に入る。
すると個人事業主の方には、社会保険料(年金等)が掛からない。
これがマイクロ法人です。
じゃあどんな人がやれば良いかと言うと、個人事業主でとても売上がある人ですね。
あとは意外と語られないのですが、向上心がそんなにない人も含まれると思います。
例えば個人事業主で売上を2000・3000万円立てたら、会社を作ってバリバリやった方が良い。
トータルで得をするんですね。
つまり個人事業主として売上1000万円ぐらいで、社会保険料を最適化してゴールという方ですね。
そういう方が、マイクロ法人を使うわけです。
例えば「マイクロ法人に売上を年間60万円立てて、それを全部給料で吐き出して、社会保険料が最低になりました」というスキームはアリなんだけれど、そんなのより会社で売上を1億上げた方が絶対に得じゃん。
社会保険を月数万円得するよりも、売上を1億上げた方が絶対に得なわけだから「売上をブチ抜くぞ」「たくさん仕事して頑張るぞ」という人は、マイクロ法人なんて関係ないんですよ。
そんな社会保険最適化に脳ミソのリソースを使わないで、もっと頑張ることを考えた方が良いわけですよね。

だから手段と目的がチグハグになったり、そもそもの仕組みがわかってないのに、うろ覚え・ちょっと入った知識でマイクロ法人を語るのは、非常にナンセンスだと思います。

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