お金の事故と負の連鎖【日本特有】

今日のリベラルアーツ大学
日本人の「お金のレベル」は高い?低い?徹底解説
https://www.youtube.com/watch?v=F0qfifuJ6tA

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このページは、Voicy「大河内薫マネリテ戦略室ラジオ」2022/7/19分を、文字起こし・編集したものです。

お金の事故と負の連鎖【日本特有】 | 大河内薫@お金の教育「大河内薫マネリテラジオ」/ Voicy - 音声プラットフォーム
音声放送チャンネル「大河内薫@お金の教育」の「お金の事故と負の連鎖【日本特有】(2022年7月19日放送)」。Voicy - 音声プラットフォーム

今日は、お金関連の事故・詐欺は負の連鎖の最終地点という話です。
僕が学校の授業で必ず、”お金は道具、だから使ってナンボ。その役割・使い方があって、使っていくのが基本ですよ”というような話をします。
目の前にある道具について、”この道具は、どんな役割がありますか?”・”じゃあお金を道具にするのであれば、どんな役割がありますか?”と。
”物を購入する”・”物と交換する”と言う学生に、”そうだね”という話をするんです。
取扱説明書はないけれど、お金は道具だから取り扱い方があるんです。
では取り扱い方を知らずに道具を使ったら、どうなりますか?
例えば免許を持たずに車を運転したら、どうなりますか?
これは、小学生でもわかるわけですよ。
事故が起こる、人を傷つける。
そんな可能性があるわけですね。
つまりどんな道具にしても、取り扱い方を知らずに、または取扱説明書があるものは読まずに道具を使うと間違った使い方をするわけだから、事故が起こりやすい。
車の事故は本当にわかりやすくて、無免許運転は事故の可能性が高いじゃないですか。
そして無免許運転は法律違反ですから、絶対にやってはいけない。
道具は、使い方を間違えると人を傷つける。
ハサミだって、そうですよね?
人に向けたら、人を傷つける可能性がある。
でも、紙を切るのには便利。
道具は、そういうものなんですね。
授業でこの話をするシーンはいろいろあるんですけど、一つは人間が操るものであること。
これを、すりこみたいわけですね。
残念だけど世間を見渡してみると、お金に操られている人間は本当にたくさんいるじゃないですか。
そうなって欲しくない。
どこまでいっても、道具は人間が使わないとその意味をなさない。
「たかが道具である」を伝えたいんですね。
そして「道具である」と理解しておくと、道具そのものの良い・悪いがないじゃないですか。
ハサミで誰かを傷つけても、ハサミは悪くないですよね?
ハサミを握って誰かを切りつけた人間が悪いわけで、お金も一緒なんですよね。
特に学生達には言うんだけど、”お金のニュースを見ていると、今後大人になっていくにつれて悪いニュースをたくさん耳にする”と。
悪いニュースだけではなくて、せっかくお金のことを学びポジティブになって勉強しているのに、育っていく過程で”お金の話なんかするもんじゃないよ”・”なにお金の勉強しているの?”と言われるシーンに、必ず出くわすんですよね。
その時に跳ねのけるマインドセットとして「お金は悪くない、だって道具だから」「ハサミに、良い・悪いはない」「スマホに良いも悪いもない、使う人次第」ということもすりこみたいわけなんですよね。
だから僕は、”お金は道具だよ”と子供達に伝えているわけです。
そして道具なら、取扱説明書が必要になってくる。
ほとんどの日本人が取扱説明書を見ずに、取り扱い方をあまり知らずに、お金を何となく稼いで何となく生活費に使っているんですよね。

じゃあ、道具の取り扱い方を知らずに使うとどうなるか?
これは、さっき言った通りですよね?
車の無免許運転と同じように、事故が起こるんですよ。
お金も道具だから、取り扱い方を知らずに使うと事故が起こるんですよね。
車だったら、本当にわかりやすい。
車をぶつけたら車は傷つくし、車で誰かを轢いてしまったら誰かが傷つくわけですよ。
車という道具の取り扱い方を知らずに使ったことによって起こる事故は、目に見えて非常にわかりやすいわけですね。
一方で、お金という道具の取り扱い方を知らずに使って起こる事故は、非常に見えづらいわけです。
なぜなら、昨日も今日も明日も明後日も、お金の事故は全国各地でいつも起きているから。
事故が起こりまくっている。
それは、そうですよね。
お金という道具の取扱説明書がないから。
説明書を見ずに、使い方がわからずに道具を使えば事故が起こるわけですよ。
日本人は取扱説明書を持っていないし、お金の教育がされないし。
そして大人になっても、お金の教育がされない。
誰にも教えてもらえない。
だからお金の取り扱い方をほとんど知らずに、何となく稼いで何となく使っている。
それは、事故が起こる。
でも車と違って、お金の事故は目に見えてわからないんです。
もっと言うと、目に見えてわかった時には大事故になっている。

リボ払い一つ取っても「あ~、リボ払いってなんか良いな~」と。
「毎月5万円ぐらいの引き落とし、しんどかったんだよね~」「定額の1万円にしよ」と組んだその瞬間、事故ですからね。
でもその事故は、誰も気づかないじゃないですか。
本人も気づいていないし、誰にも言わないから気づかれない。
お金の事故は、そういうことなんですよね。
住宅ローン一つ取っても、本当は0.75%で組めたのに、ちょっと高い0.9%で組んでいる。
これも、事故の一つなんですよね。
保険に入り過ぎている。
これも、お金の事故の一つなんです。
こういうちょっとした事故、ちょっとずつお金について損をする話は全国各地で毎日いろんな所で起きているんです。
そしてそれをなかなか止めることができない負の連鎖が、この日本にはあるんですね。

例えばリボ払いをやる前に「なんか良さそうだけど、友達に相談してみるか」となったら…
例えば僕に相談したら全力で止めるから、その事故は回避できるわけですよね。
住宅ローンの金利だって「あれ、TVや雑誌で見た金利よりもちょっと高いな~、友達に相談してみるか」となったら、その友達が知っていれば事故が防げるわけですよ。
日本人は、お金の相談をする相手がいないんです。
なぜなら「お金の話を、人様の前でするもんじゃない」「お金の話は、汚いものである」という日本特有の文化があるから。
だから、お金について「あれ?」と思うことがあったり、「ちょっと不安だな~、良いのかな~?」と思うことがあったり、「あれ、騙されたかもしれないな~」と思うことがあったとしても、相談相手がいないから誰にも相談することができない。
「お金の話を他人にしちゃいけない」と、皆思っているからなんです。
これは、とんでもない負の連鎖だな~と思っていて。
小さな事故の内に食い止められる可能性が最も高いのは、人に相談することなんですよね。
だから日本人は、お金の事故が多いんだと思います。
これを何とか食い止めなきゃいけないと思うし、そのためにはせめて家族とはお金の話ができる環境を作らなきゃいけないと思うし。
家族が無理なら、たった一人で良いからお金の相談をできる人を作らなきゃいけない。
もしくは、お金のことを匿名でも良いから気軽に話せて、向こうが騙さない固めの保証がある場所が必要なのかな~と思います。
だから「お金の話を気軽にしよう」という僕のTwitterコミュニティは100%信じられるものではないですが、理念を共有して集まった仲間なので、そういう所で相談すればお金の事故は減るんじゃないかな~と思います。

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