人に好かれるセリフ
「了解しました」⇒「かしこまりました」
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このページはVoicy「澤円の深夜の福音ラジオ」1471回を、文字起こし・編集したものです。
【眠くなるあなたは悪くない・・・かも】
今日はですね、ニューオータニ、チェックアウトの日なんですけれども、なんと急にですね、”新入社員研修で、話してくれ”って言われて。
まあある意味、宿泊者代表みたいな感じでですね、新入社員の方々に、ちょっとお話をする機会をもらったんですね。
”10分間、プレゼンテーションしてくれ”っていう風に言われてですね、それを11時ぐらいに言われたのかな?
そして、出番が14時半ぐらいかな?
それまでの間に、まあランチとて何なりして、30分ぐらいでチャチャッとスライドを作ってですね。
11枚、スライドを作って。
そして、10分間お話をするという。
そんな非常に貴重な機会を、もらったんですね。
新入社員研修、ちょっと早いんですね。
「4月1日ではなくって、もう3月中から始まってるんだな~」って感じだったんですが、これからニューオータニを背負って立つですね、若者38人だったかな?
を前にして、お話をさせてもらいました。
まあ、すごい素敵な仕事だと思うので、”これは、すごく素敵な仕事なんですよ。人々を幸せにする、そういう仕事なんですよ”っていうそんなお話を、宿泊者の目線…
要するに、利用者の目線から、お話させてもらったわけなんですが。
その内容は、とりあえず置いておいてですね。
その後で、研修担当の方とか、社員の方から、すごくポジティブなフィードバックをもらってですね。
「ほんとに素晴らしかったです、ありがとうございました」みたいな。
そんな感じだったんですけれども、その時に、非常に印象的だった言葉があって。
「新入社員の人達が、一人も寝てませんでした。これが、すごいことだと思います」って感じで、感動してくれてたんですね。
これは、非常に僕にとっても嬉しいんですけれども、これ結構ポイントがありましてですね。
新入社員研修、寝ますよね?
寝ますよ、僕も寝まくりましたよ。
まあ、大学の講義なんかも寝まくってましたし。
高校もたぶん、居眠りしてましたし。
カミさんはきっと、授業中も、新入社員研修の最中も、目開けてる時間よりも寝ている時間の方が多かったんじゃないかなと思うんですけど。
ということで、眠くなるもんなんですよ。
ですけど、僕はですね、大学でも講義やらせてもらってますし、いろ~んなところで研修をやってますけれども、居眠りをされた経験はほとんど、最近は特にありませんね。
これ、別にドヤ顔したくって言ってるというよりも、これが今日のテーマの根本にあると思うんですけれども。
居眠りをしてしまうというのは、ぶっちゃけこれ、生理現象として仕方がないと思うんですね。
なにしろ、体動かしてなくって、人の声をずーっと聞き続けていて。
尚且つ、それが自分に向けられた攻撃の声とかじゃなければ、あんまり目開けてなきゃいけない理由って、生物学的にないんですよね。
そして、状況が整っていると、人間眠くなるのは当たり前の話であって。
これ、生理現象として、すご~く自然なことが起きてるだけなんで。
居眠りをしているってことを、僕は、ことさらに罵倒するようなことは必要ないと言うか、やっちゃいけないような気がしてるんですよね。
だって、生き物として自然なんだから。
そこで、居眠りしないようにするために必要なものは何なのかと言うと、聴く側の方でできることっていうのは、気合を入れるとかですね、根性で目を開けてるとかですね、そんな感じになるんじゃないかなと思うんですけど。
言っててアホらしいっていうの、わかりますよね?
なんか、ナンセンスですよね。
だと、僕は思うんですけど。
要するに、「居眠りしてしまうという責任を全部聴いてる側に押し付けるの、これおかしいんじゃないの?」っていう風に思うわけですね。
そして実際、聴いてる人達は変わってなくって、喋り手が僕に変わったというだけで、居眠りをしていないという現象が起きているわけですから。
ここ、ちょっと紐解いた方が良いかなと思うんですよね。
僕はまあ、かなりですね、オーディエンスの人達を退屈させないように工夫もしますし、一生懸命頭も使いますし。
そして、やってる最中も、あの手この手で楽しんでもらえるような。
楽しむっていうのはこれ、エンターテイメントな要素も、もちろんありますけれども。
それ以上にですね、「この話を聴いて、良かった」って思ってもらえるような準備というのを、短時間であっても徹底的にやるんですよね。
要は実質、準備時間っていうのは30分とか、そんなものだったと思うんですけれども。
それでも、その10分間に対して集中するために、もう言い訳はできないわけですね。
「請け負った以上は、その10分間を濃密なものにするぞ」っていう風に思って、しっかり準備するわけですよ。
結果的に、その10分間は退屈な顔をしてる人、ほんとに一人もいなかったですし、メモをガンガン取ってましたし。
”「10分の間で、そんなにメモ取るんだ」っていうぐらいに、メモ取ってました”っていう風に、社員の方も仰ってたんですよね。
ですので、これはおそらく、「プレゼンテーションとしては、うまくいったんじゃないかな~」と思います。
なぜかと言うと、それは、僕が時間は短いにせよ、徹底的に良い時間にするための準備をした。
そして、オーディエンスに響くためのストーリーっていうのを考えたと。
ここに尽きると思うんですね。
おそらくは、居眠りしてしまうような研修とか、講演とかっていうもののメカニズムというのは、「自分が聴く意味が、見出せない」っていう、そういうものだと思うんですね。
「私、関係ないわ。これ、意味ないな」って思うと、絶対眠くなると思うんですよ。
これが、例えば、ことさらにですね、笑かすために一生懸命、エンターテイメントの技を駆使してやったら、まあ眠くはならないかもしれないけれども。
研修としての意味ってのは、それほど濃くならない可能性ありますよね。
「面白いけど、内容が薄いっていうことになりかねないかな~」と思いますし。
内容が伴ってるんだから、喋り方はどうでもいいと思って。
お経を読むみたいに、ずーっと一定のペースでボソボソボソボソ喋ったら、「寝るな」っていう方が無理ゲーですよね。
これ、絶対寝ますよね。
いくら内容がすごく良いものだという風に、講演する側が言い張ったとしても、「眠くなるものは、これ、しゃーないかな」って気がするわけですよ。
ということで、眠くなっちゃうという、その状態にはメカニズムがあって。
何かと言うと、僕は、「ほとんどの責任は、話し手側にある」という風に思っています。
じゃあ、「これは、話し手側がうまく話さなきゃいけないのか?」「プレゼンターは、いろ~んな技を知っていなきゃいけないのか?」というと、これまた、完全イコールではないんじゃないかと思うんですね。
少なくとも、話をする時に、相手の視点とか、相手の考えているポイントとかっていうのに、想像力を働かせたかどうかっていう方が、遥かに大事なんじゃないかと思うんですよね。
ですので、オーディエンスの分析とか、その人達の考えているであろうことに対して、「想像力を働かせる」というプロセスを、ちゃんと踏んでるかどうかってことなんですよね。
多くの人達は、喋らなきゃいけないこと、これは覚えてもらわなければならないという、そっちの方に目、行き過ぎてるんですね。
もちろん、それはそれで大事なんですけれども。
そればっかり、目が行ってしまって。
さらに質が悪いのは、「これは、知っておくべきである」。
例えば、新入社員研修なんかだったら、「ウチの会社に入るからには、これは全部理解すべきである」という感じで。
話し手の方はですね、思いっ切りこう、思考をそっちに集中してしまうと、完全に聴き手無視の状態になりかねないと。
だけどこれ、大いなるギャップがあるんですよね。
なにしろ、その会社に入社するっていう風になっていたら…
たしかに、聴かなきゃいけない義務は発生はしてるんだけれども。
ただ、その義務だけで目、覚めないですよね。
義務だけで、気合や根性っていうのが50%UPするかっていうと、なかなかそうはならないんじゃないかなと思うんですよね。
ましてや、新入社員研修ですから。
新卒の人達っていうのは、まだそこまで会社にコミットする理由、見つけられてないわけですよね。
それを見つけるためのきっかけを与えるのが、新入社員研修じゃないかなと思うんですけど。
その時に、「もう入ること決まってるんだから、気合と根性で目、思いっ切り見開いて、俺の話を聴け」って言っても、これはですね、厚かましいですね。
その上で、つまんない喋り方とか、押し付けがましい論理とかっていうのを、講演時間を使って相手に届けようとしたら、「これははっきり言って、テロに近いかな~」と思うんですよね。
やっぱりこれは、聴いてる側の人達のマインドっていうのをちゃんと理解した上で、「そこに効く、何かの話をする」というのが、話し手の責任ではないかという風に、僕は思うわけです。
なにしろ、相手の時間を借りて、その時間を使って何かの価値を提供するっていうのが、これがプレゼンテーションの原理・原則ですから。
「大事なことを話してるんだから、もう”眠たい”とか言わずに、お前ら真面目に聴け」っていうのは、正直通用しない論理だなと、僕は思うんですけどね。
どうでしょうか?
いや~、これからもし「新入社員研修の講師、頼まれてるんだけど…」っていう方が、僕のこのお話を聴いていたらですね。
今一度、内容と、話し方と。
それから、なによりもオーディエンスのことをどれだけ考えているのかというのを、自分自身にちょっと問いかけてみては、いかがでしょうか?
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